GASを覚えたいと思っても、最初からメール送信やAPI連携まで並べると、何を練習しているのか分からなくなります。スプレッドシートの自動化が目的なら、まず「表を読む、計算する、結果を書く」を手動で確かめるところから始めると、学ぶ内容を絞れます。
ここでは、架空の売上表を集計する作業を例に、次へ進む条件まで決めます。Googleサービスへの実行は行っていません。GASの動作や設定は、Apps Scriptの公式概要とSheetsの開発ガイドを確認した内容です。
最初の題材と練習用の表
題材は店舗別の売上を足す作業にします。例の列はA列が店舗名、B列が金額で、1行目は見出しです。2行目以降に「東京・1200」「大阪・800」の2件を入れます。合計は2000です。期待する答えを自分で計算できる表なら、コードが動いただけで満足せず、結果を比べられます。
元の業務シートは使わず、練習用ファイルを新しく用意してください。書き込み先はD2などの空いたセルに決め、シート名も控えます。最初に決めるのは、見栄えのよい画面や自動実行の時刻より、何を読んでどこへ出すかです。
エディタと実行ログ
スプレッドシートの「拡張機能」から「Apps Script」を開くと、そのファイルに紐づくスクリプトを作れます。まずは次の関数を保存し、関数名を選んで手動実行します。
function practiceTotal() {
const amounts = [1200, 800];
const total = amounts.reduce(function (sum, value) {
return sum + value;
}, 0);
console.log(total);
}
これは表に触れず、固定した配列を計算する段階です。実行ログに2000が出るかを見ます。変数、配列、関数、繰り返しをすべて暗記してから始める必要はありません。いま使っている行が何を受け取り、何を返すのかを説明できるようにします。
構文エラーが出たら、表示された行番号と、括弧や引用符を見ます。値が違うときは、配列の中身と計算式を確かめます。エラーの種類によって調べる場所を変える練習も、この小さな例でできます。
表の読み取りから書き込みへ
固定値で計算できたら、A2:B3の値を取得し、まずログに表示します。GASの表データは二次元配列なので、1行分の中に店舗名と金額が入ります。B列の金額を使うなら、各行の2番目の値を見るという対応を確認します。
読み取った2件の金額と合計が期待どおりなら、次に結果を練習用シートへ書きます。範囲を広げるのはその後です。空行、金額が文字になっている行、見出しだけの表も試し、計算を続けるのか止めるのかを決めます。空欄を勝手に0とみなすと、入力漏れを正常な売上と取り違えます。
学習の区切りと次の段階
| 段階 | 確かめること | 次へ進む条件 |
|---|---|---|
| 固定値の計算 | ログの合計 | 手計算の2000と一致する |
| 表を読む | 対象シートと件数 | 見出しを除く2件を読める |
| 結果を書く | 出力セル | 元の列を変えずに保存できる |
| 例外を扱う | 空欄や文字列 | 不備の行を特定できる |
| 自動で動かす | 実行履歴と通知 | 手動と同じ結果を確認できる |
時間主導型トリガーによる定期実行や、外部APIとの連携は、手動の処理が安定してから組み込みます。どこで失敗したかが分からないうちに自動実行すると、表の読み間違いと権限の問題が混ざるためです。進み具合は学習した日数より、同じ入力で結果を説明できるかで見直せます。
GAS自体の特徴はGASの始め方とできること、処理が長くなった後の整理はGASのコード分割で確認できます。
