議事録をAIで整えるときに困るのは、発言が読みやすくなる過程で、未決定の案が決定事項に変わることです。要約の長さだけを指定せず、決定事項、宿題、次回確認の区分と、根拠の残し方を指示します。
整形前に発言へ参照番号を付ける
会議メモや文字起こしには、行番号や時刻を残します。話者が不明な箇所、聞き取れなかった語、仮の日時は、入力の段階で分かる形にします。AIに話者や日付を推測させて整えないためです。
次は説明用に作った架空のメモです。
[01] 進行: 申請フォームは来月から試験運用する案です。
[02] 担当A: 入力項目を整理します。期限はまだ相談したいです。
[03] 進行: では、項目案を担当Aが整理することは決定にします。
[04] 担当B: 承認者の順番は次回確認しましょう。
[05] 進行: 試験運用の開始日は今回は決めず、次回検討します。
「来月から」は提案であり、開始日の決定ではありません。担当Aの作業は決まっていますが、期限は未定です。この違いを評価基準にします。
3区分と不足の扱いを指定する
会議メモを次の形式へ整理してください。
条件:
- 決定事項は、明示的に合意・決定した内容だけを書く。
- 宿題は、作業内容・担当・期限・根拠番号を分ける。
- 担当や期限が書かれていない場合は「未定」とする。
- 次回確認には、保留した判断と確認が必要な情報を書く。
- 提案、反対意見、決定を混同しない。
- 入力にない結論や合意を追加しない。
- 各項目に根拠となる行番号を付ける。
出力:
1. 決定事項
2. 宿題(作業 / 担当 / 期限 / 根拠)
3. 次回確認
4. 入力の不明点
会議メモ:
{参照番号付きのメモ}
条件と入力資料を分けて伝える方法は、OpenAIのプロンプト設計資料を基にしています。出力の正しさまで保証する仕組みではないため、根拠番号から原文へ戻って確認します。
期待する整理例を基準にする
上のメモについて、人が作る確認用の整理例は次のとおりです。AIの実行結果ではありません。
| 区分 | 整理する内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 決定事項 | 担当Aが入力項目案を整理する | 02、03 |
| 宿題 | 項目案の整理/担当A/期限未定 | 02、03 |
| 次回確認 | 承認者の順番 | 04 |
| 次回確認 | 試験運用の開始日 | 01、05 |
決定事項と宿題に同じ作業が現れる場合もあります。合意したことと、誰が実施するかの両面を残すためです。一方、同じ文を各区分へ無意味に複製しないよう、表現と目的を確かめます。
人が確認する順番を決める
最初に決定と保留の境界、次に担当者と期限、最後に文章の読みやすさを点検します。自然な文章でも、担当者を取り違えれば実務で使えません。根拠番号が存在するだけでなく、引用先が出力を支えているかも確認します。
相対的な日付は会議日が分かる場合に限り、根拠を確かめて具体化します。「来週」の基準日が不明なら、日付へ変換せず確認事項に残します。人名の表記揺れも名簿などの正式な資料と照合します。
会議録をAIへ渡す前に、参加者情報や相談内容をそのサービスへ送ってよいか確認します。共有時には入力全文を添える必要がある人と、要点だけでよい人の範囲を分けます。
確定版には確認者と確認日を残し、宿題をタスク台帳へ転記した場合は転記先を記録します。議事録ができたことと、作業が担当者へ渡ったことを別々に確認すると、対応漏れを探しやすくなります。
長い会議の分割は長文要約のプロンプト、共有前の文面確認はAI文章の推敲手順も参照してください。
