
pythonで効率的にWebスクレイピングしたいけど、無料プロキシってどうなの?

安全に使えるのか不安だし、そもそも使い方がわからない。

無料プロキシは個人情報が含まれているものにはおすすめしません。
そこで、今回はpythonでWebスクレイピングする際に「無料プロキシ」を使う方法と注意点について紹介します!
- 無料プロキシサーバーの種類と特徴
- pythonでの利用方法とコード例
- 無料プロキシと有料プロキシの比較
Pythonと無料プロキシでWebスクレイピング
Pythonを用いてWebスクレイピングを行う際、大量のアクセスをWebサイトに対して行うと、Webサイトに過度な負荷がかかってしまうため、アクセス制限が imposed される場合があります。このような状況において有効な手段となるのが「プロキシサーバー」の活用です。
プロキシサーバーを経由することで、アクセス制限を回避できる可能性があります。プロキシサーバーには、無料のものと有料のものがありますが、今回は無料のプロキシサーバーを利用する方法と、注意点について解説して参ります。
まずは、Webスクレイピングとプロキシサーバーに関する基本的な知識を、確認していきましょう。
上記の3点を理解することで、無料プロキシを用いてWebスクレイピングを行うための基礎知識を習得することができます。
Webスクレイピングとは
Webスクレイピングとは、Webサイトから情報を自動的に収集する技術です。WebサイトのHTMLデータを解析し、必要な情報を抽出します。マーケティング調査や価格調査、ニュース収集など、様々な用途で活用されています。
プロキシサーバーとは
プロキシサーバーとは、クライアント(あなたのコンピュータ)とWebサーバー(アクセスしたいWebサイト)の間に位置し、クライアントの代わりにWebサーバーにアクセスするサーバーです。プロキシサーバーを経由することで、クライアントはWebサーバーに直接アクセスすることなく、Webページを取得することができます。プロキシサーバーを利用するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- アクセス制限の回避
- 匿名性の向上
- アクセス速度の向上
なぜ無料プロキシを使うのか
Webスクレイピングでは、同一のIPアドレスから大量のアクセスをWebサイトに対して行うと、Webサイトに過度な負荷がかかり、アクセス制限が imposed される場合があります。無料プロキシを利用することで、自身のIPアドレスを隠蔽した上でWebサイトにアクセスすることが可能となるため、アクセス制限を回避できる可能性があります。

Webスクレイピングにおいて、無料プロキシは有効な手段となり得るケースがあるのですね。
無料プロキシサーバーとは
無料プロキシとは、無料で利用できるプロキシサーバーのことです。Webサイトやアプリで公開されているリストから取得することができます。しかし、無料プロキシは誰でも利用できるため、セキュリティリスクが高い場合があります。悪意のある第三者によって、通信内容を盗聴されたり、改ざんされたりする可能性も否定できません。
そのため、無料プロキシを利用する場合は、以下の点に注意する必要があります。
- 個人情報や機密情報を含むWebサイトへのアクセスは避ける
- 信頼できるプロキシサーバーのリストを利用する
- HTTPSで通信を行う
次に、無料プロキシの仕組みと種類について、詳しく見ていきましょう。
無料プロキシサーバーの仕組み
無料プロキシサーバーは、クライアントからのリクエストを受け取り、それをWebサーバーに転送します。そして、Webサーバーからのレスポンスをクライアントに転送します。このとき、クライアントのIPアドレスは、プロキシサーバーのIPアドレスに置き換えられます。

そのため、Webサーバーからは、クライアントのIPアドレスではなく、プロキシサーバーのIPアドレスが見えている状態となります。
無料プロキシサーバーの種類
無料プロキシサーバーには、主に以下の2つの種類があります。
- HTTPプロキシ
- HTTPSプロキシ
HTTPプロキシは、HTTP通信のみを中継するプロキシサーバーです。HTTPSプロキシは、HTTP通信とHTTPS通信の両方を中継するプロキシサーバーです。
Webスクレイピングでは、通信内容を盗聴されたり、改ざんされたりするリスクが少ないHTTPSプロキシを使用することをおすすめします。

無料プロキシでもセキュリティに配慮しましょう。
pythonで無料プロキシを使う方法を解説
pythonで無料プロキシを使う方法を、以下の3つのステップに分けて解説して参ります。
順番に見ていきましょう。
無料プロキシサーバーリストの取得
無料のプロキシサーバーリストは、様々なWebサイトやアプリで公開されています。今回は、https://www.proxyscan.io/ というWebサイトから、無料のプロキシサーバーリストを取得します。このWebサイトでは、APIを利用してJSON形式でプロキシサーバーの情報を取得することができます。
APIとは、「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェア同士が情報をやり取りするためのインターフェースのことです。先ほど紹介した `https://www.proxyscan.io/api/proxy` にアクセスすると、プロキシサーバーのリストがJSON形式で取得できます。
以下のコードは、Pythonで `https://www.proxyscan.io/api/proxy` にGETリクエストを送信し、プロキシサーバーのリストを取得する例です。
import urllib.request
import json
def get_free_proxies(protocol='https'):
"""
proxyscan.ioのAPIから無料プロキシサーバーのリストを取得する
Args:
protocol (str, optional): プロトコル. Defaults to 'https'.
Returns:
list: プロキシサーバーのリスト
"""
api_url = f'https://www.proxyscan.io/api/proxy?last_check=3600&uptime=75&limit=10&type={protocol}&ping='
proxies = []
for i in range(4):
ping = (i + 1) * 300
request_url = api_url + str(ping)
with urllib.request.urlopen(request_url) as response:
data = json.loads(response.read().decode('utf-8'))
if data:
proxies.extend(data)
break
return proxies
# HTTPSプロキシのリストを取得
https_proxies = get_free_proxies()
# HTTPプロキシのリストを取得
http_proxies = get_free_proxies(protocol='http')
print("HTTPSプロキシ:")
print(https_proxies)
print("HTTPプロキシ:")
print(http_proxies)
このコードでは、`get_free_proxies()` という関数を定義しています。この関数は、`protocol` という引数を受け取り、`https://www.proxyscan.io/api/proxy` にGETリクエストを送信して、プロキシサーバーのリストを取得します。`protocol` 引数は、取得したいプロキシサーバーのプロトコルを指定します。デフォルト値は `https` です。`get_free_proxies()` 関数は、プロキシサーバーのリストを返します。リストの各要素は、プロキシサーバーの情報を含む辞書です。
プロキシサーバーの動作確認
取得したプロキシサーバーが実際に使用できるかどうかを確認しましょう。プロキシサーバーの動作確認には、ポートが開いているかを確認する「ポートチェック」を行います。
import socket
def check_proxy(ip, port):
"""
プロキシサーバーのポートが開いているかを確認する
Args:
ip (str): IPアドレス
port (int): ポート番号
Returns:
bool: ポートが開いている場合はTrue, それ以外はFalse
"""
sock = socket.socket(socket.AF_INET, socket.SOCK_STREAM)
sock.settimeout(10)
result = sock.connect_ex((ip, port))
sock.close()
return result == 0
# プロキシサーバーの動作確認
for proxy in https_proxies:
ip = proxy['Ip']
port = proxy['Port']
if check_proxy(ip, port):
print(f'プロキシサーバー {ip}:{port} は使用可能です。')
else:
print(f'プロキシサーバー {ip}:{port} は使用できません。')
このコードでは、`check_proxy()` という関数を定義しています。この関数は、`ip` と `port` という引数を受け取り、プロキシサーバーのポートが開いているかを確認します。`check_proxy()` 関数は、ポートが開いている場合は `True` を、それ以外の場合は `False` を返します。
pythonで無料プロキシを使う方法
動作確認が完了したプロキシサーバーを使って、Webスクレイピングを行いましょう。
import urllib.request
def scrape_website(url, proxy=None):
"""
プロキシサーバーを使ってWebサイトをスクレイピングする
Args:
url (str): スクレイピング対象のURL
proxy (dict, optional): プロキシサーバーの情報. Defaults to None.
Returns:
str: WebサイトのHTML
"""
if proxy:
proxy_handler = urllib.request.ProxyHandler({proxy['type']: f"{proxy['Ip']}:{proxy['Port']}"})
opener = urllib.request.build_opener(proxy_handler)
urllib.request.install_opener(opener)
with urllib.request.urlopen(url) as response:
html = response.read().decode('utf-8')
return html
# スクレイピング対象のURL
url = 'https://www.example.com'
# プロキシサーバーを使ってWebサイトをスクレイピング
html = scrape_website(url, proxy=https_proxies[0])
print(html)
このコードでは、`scrape_website()` という関数を定義しています。この関数は、`url` と `proxy` という引数を受け取り、プロキシサーバーを使ってWebサイトをスクレイピングします。`url` 引数は、スクレイピング対象のURLを指定します。`proxy` 引数は、プロキシサーバーの情報を指定します。`None` を指定すると、プロキシサーバーを使わずにWebサイトにアクセスします。`scrape_website()` 関数は、WebサイトのHTMLを返します。

これで、pythonで無料プロキシを使ってWebスクレイピングができるようになりました。
無料プロキシの注意点とリスク
無料プロキシは便利ですが、利用する前に理解しておくべき注意点とリスクがいくつか存在します。詳しく見ていきましょう。
セキュリティリスク
無料プロキシは、セキュリティリスクが高い場合があります。悪意のある第三者によって、通信内容が盗聴されたり、改ざんされたりする可能性があります。そのため、無料プロキシを利用する際は、個人情報や機密情報を含むWebサイトへのアクセスは避けましょう。
速度や安定性の問題
無料プロキシは、有料プロキシに比べて、速度や安定性が劣る場合があります。そのため、Webスクレイピングの途中で接続が切断されたり、Webページの取得に時間がかかったりすることがあります。
利用規約違反
Webサイトによっては、プロキシサーバーの使用を禁止している場合があります。無料プロキシを使う前に、Webサイトの利用規約を確認するようにしましょう。
無料プロキシと有料プロキシの比較
無料プロキシと有料プロキシには、それぞれメリットとデメリットが存在します。両者を比較した表を以下に示しますので、参考にしてください。
項目 | 無料プロキシ | 有料プロキシ |
---|---|---|
料金 | 無料 | 有料 |
セキュリティ | 低い | 高い |
速度 | 遅い | 速い |
安定性 | 低い | 高い |
匿名性 | 低い | 高い |
無料プロキシは、無料で利用できるというメリットがある一方で、セキュリティリスクや速度、安定性の問題点があります。有料プロキシは、利用料金が発生するというデメリットがある一方で、セキュリティ対策がしっかりしており、速度や安定性も高いというメリットがあります。
そのため、Webスクレイピングで大量のデータを取得する場合や、個人情報や機密情報を含むWebサイトにアクセスする場合は、有料プロキシの利用を検討することをおすすめします。

無料プロキシと有料プロキシ、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、適切に使い分けるようにしましょう。
無料プロキシサービスと有料プロキシサービスの例
無料プロキシサービスと有料プロキシサービスには、それぞれ様々なものがあります。ここでは、代表的なサービスをいくつかご紹介します。
無料プロキシサービスの例
- Free Proxy List: 世界中の無料プロキシサーバーをリスト化しているWebサイトです。HTTPプロキシ、HTTPSプロキシ、SOCKSプロキシなど、様々な種類のプロキシサーバーが掲載されています。
- Proxynova: Free Proxy Listと同様に、世界中の無料プロキシサーバーをリスト化しているWebサイトです。プロキシサーバーの速度や匿名性などを確認することができます。
- Spys.one: 世界中の無料プロキシサーバーをリスト化しているWebサイトです。プロキシサーバーの国や地域、プロトコルなどを指定して検索することができます。
有料プロキシサービスの例
- Luminati: 大規模なプロキシネットワークを提供しているサービスです。住宅用IPアドレス、モバイルIPアドレス、データセンターIPアドレスなど、様々な種類のプロキシサーバーを利用することができます。また、APIやSDKなども提供されており、Webスクレイピングなどの用途に最適です。
- Smartproxy: Luminatiと同様に、大規模なプロキシネットワークを提供しているサービスです。住宅用IPアドレス、データセンターIPアドレスなどを利用することができます。また、使いやすいダッシュボードやAPIなども提供されています。
- Oxylabs: 高品質なプロキシサーバーを提供しているサービスです。住宅用IPアドレス、データセンターIPアドレスなどを利用することができます。また、Webスクレイピングやデータ収集に特化したツールなども提供されています。
よくある質問
無料プロキシを使ったWebスクレイピングについて、よくある質問をまとめました。

必要に応じて、VPNの導入を検討しましょう。
まとめ:Pythonで無料プロキシを使ってWebスクレイピングに挑戦しよう!
今回は、Pythonで無料プロキシを使ってWebスクレイピングを行う際の方法と注意点について解説しました。
- Webスクレイピングで大量アクセスを行う際は、プロキシサーバーの利用が有効
- 無料プロキシは手軽に利用できるが、セキュリティリスクや速度・安定性の面で注意が必要
- 無料プロキシと有料プロキシのメリット・デメリットを理解し、適切に使い分ける
無料プロキシサーバーは、手軽に利用できるというメリットがある一方で、セキュリティリスクや速度、安定性の問題があることが分かりましたね。

無料プロキシと有料プロキシのメリット・デメリットを理解した上で、安全かつ効率的にWebスクレイピングを行いましょう!
ぜひ、この記事を参考にして、PythonでのWebスクレイピングに挑戦してみてください。