お悩み女子Pythonを入れたいけれど、公式サイトのどのボタンを押せばいいのか分からない……
Pythonのインストールは、公式サイトの python.org から入手するのが基本です。ただ、Windows では公式の案内が変わり、以前の記事の画面とは違って見えることがあります。2026年10月時点では、Windows 向けの大きなボタンが「Download Python install manager」になっています。
この記事ではWindowsで公式サイトからPythonをインストールし、動くことを確かめるまでの手順を紹介します。2026年10月18日に確認した最新版は、Python 3.15.0(2026年10月9日公開)です。MacとLinuxは、最後に要点だけ触れます。
載せているコードはWindows 11 で Python 3.12.10 と 3.15.0 を動かして確かめています。インストーラの画面操作そのものは実行しておらず、手順は公式ドキュメントの記載にもとづきます。
- 入れる前に確認する4つのこと
- 公式サイトで押すボタンと、入手方法の違い
- Python install manager でインストールする手順
- バージョン表示と最初のプログラムでの動作確認
- つまずきやすい症状と、見る場所
Pythonのインストール前の4つの確認
Windows にはシステムとして用意された Python がありません(公式ドキュメントより)。入れる前に、次の4点を見ておくと、あとで困りません。
すでに入っているかの確認
PowerShell(またはコマンドプロンプト)を開いて、次のコマンドを入力します。スタートメニューで「PowerShell」と検索すると開けます。
python --version
Python 3.12.10 のようにバージョンが表示されれば、すでに入っています。何も入っていないPCでは「コマンドが見つかりません」と出たり、Microsoft Store が開いたりします。
会社のPCに入れてよいかの確認
会社のPCでは、ソフトを入れてよいかを先に確かめます。Python install manager で入れる Python はユーザー単位のインストールですが、Microsoft Store のアプリや MSIX 形式のファイルが制限されている環境では、入れられないことがあります。
- 自分のユーザー領域にソフトを入れてよいか
- Microsoft Store のアプリや MSIX 形式のファイルを入れてよいか
- pip で外部のライブラリを入れてよいか(プロキシの設定を含む)
入れるバージョンの選び方
2026年10月9日に Python 3.15 が公開されました。2026年10月18日に python.org で確かめた、各バージョンの状態は次のとおりです。
| バージョン | 公開日 | 状態 | サポート終了 |
|---|---|---|---|
| 3.15 | 2026年10月9日 | bugfix | 2031年10月 |
| 3.14 | 2025年10月7日 | bugfix | 2030年10月 |
| 3.13 | 2024年10月7日 | security | 2029年10月 |
| 3.12 | 2023年10月2日 | security | 2028年10月 |
bugfix は不具合の修正が続く段階、security はセキュリティ上の修正だけが出る段階です。
公式ドキュメントでは可能な限りサポート対象の最新版を使うことが勧められています。筆者なら、新しく入れるPCは最新の 3.15にします。インストールマネージャーが最初に入れるのが最新版で、古いバージョンが必要になっても py install 3.14 のように別の版を追加できるからです。
公開から日が浅い版を使うときは、ライブラリの対応も確かめます。2026年10月18日に PyPI(ライブラリの公開場所)を見ると、pandas・NumPy・matplotlib には 3.15 向けの Windows 用ファイルがあり、openpyxl・requests・Selenium などは版ごとに作り分けない形で配布されていました。ファイルがあることと業務で動くことは別なので、入れたあとに一度動かして確かめます。
3.15で変わった文字コードの標準
Python 3.15 では、encoding を指定せずにファイルを開くと UTF-8 として読まれます。Excel で保存した日本語のCSV(Shift_JIS系の cp932)は、3.12 までと同じ書き方だと読めなくなる場合があります。
日本語版の Windows 11 で、cp932 で保存した CSV を encoding なしで開く次のコードを動かすと、Python 3.12.10 では中身が表示されました。Python 3.15.0 では、同じコードがエラーで止まりました。
with open("売上サンプル.csv") as f:
print(f.read())
UnicodeDecodeError: 'utf-8' codec can't decode byte 0x93 in position 0: invalid start byte
UTF-8として読めないバイトがあるという意味です。文字コードを書き足すと、どちらのバージョンでも読めます。
with open("売上サンプル.csv", encoding="cp932") as f:
print(f.read())
encoding を毎回書くと、バージョンが変わっても同じ動きになります。基本はファイルを読み書きする基本の記事にあります。
Pythonのダウンロード|公式サイトで押すボタンと3つの入手方法
ダウンロードは公式サイト python.orgから行います。検索結果の広告やほかのサイトのボタンではなく、アドレスが python.org のページから入手します。
ダウンロードページで見る場所
ブラウザで https://www.python.org/downloads/ を開きます。Windows のPCで開くと、上部の大きなボタンは 「Download Python install manager」 です。その下に、従来のインストーラへの「standalone installer for Python 3.15.0」というリンクもあります。
保存されるのは python-manager-26.4.msix(約96MB)で、Python 3.15.0 が同梱されていると、公式のリリースページに書かれています。Python install manager は、Python の導入と複数バージョンの切り替えを行う Windows 用の管理ツールで、対象は Windows 10 以降です。
3つの入手方法の違い
Windows で Python を入れる方法は、現在3つあります。
| 入手方法 | 公式の位置づけ | 向いている場面 |
|---|---|---|
| python.org の MSIX ファイル | 現在の公式の方法 | この記事の手順。Microsoft Store を使えないとき |
| Microsoft Store の Python install manager | 同じ管理ツール。多くの人に勧める方法とされている | Microsoft Store を使えるPC |
| 従来の exe インストーラ | 3.14 から非推奨。3.16 以降は作られない | 手順書が exe 前提のとき |
入れたあとのコマンドはどれも同じです。python.org の MSIXを選ぶのが無難です。Microsoft Store が制限された会社のPCでも、同じ手順で進められるからです。
Python install managerでのインストール手順
ここからは、ダウンロードした MSIX を使う手順です。画面の文言はバージョンで変わることがあるため、公式ドキュメント(Python 3.15 の「Windows で Python を使う」)の説明に沿って書きます。
①MSIXファイルを開く
ダウンロードした python-manager-26.4.msix を、ダブルクリックして「Install」を選びます。終わると、python・py・pymanager の3つのコマンドが使える状態になります。以前に別の方法で入れた Python が残っていると、うまく動かないことがあります。
②ターミナルでpythonを実行する
次に、PowerShell などで python と入力します。公式ドキュメントによると、Python が1つも入っていない状態で起動のコマンドを実行すると、最新版を自動でインストールして、起動しようとします。初回は設定の確認も行われます。
バージョンを指定して入れるときは、次のように書きます。入っている Python の一覧は py list で見られます。
py install 3.15
③PATHの追加を聞かれたとき
お悩み女子PATHを追加するか聞かれたけれど、何のことか分からない……
PATH はコマンドを探しに行くフォルダの一覧のことです。最初の Python を入れるとき、ここにフォルダを追加するか聞かれることがあります。公式ドキュメントではpy コマンドを使うなら任意と説明されています。python3.14.exe のようなバージョンつきの名前も使いたい人向けです。
従来のexeインストーラを使う場合
手順書で exe を指定されているときは、python-3.15.0-amd64.exe(64ビット版)を使います。「Install Now」と「Customize installation」を選ぶ画面になり、Install Now は管理者権限が不要で、ユーザーのフォルダに入ります(公式ドキュメントより)。ただし、このインストーラは 3.14 から非推奨で、3.16 以降は作られません。
Pythonのインストール確認|バージョン表示と最初のプログラム
入れ終えたら、バージョンの表示と、短いプログラムの実行で確かめます。
バージョンの表示
python --version
最新版を入れたときの表示は、次のとおりです。
Python 3.15.0
番号が表示されれば、Python 本体は動いています。違う番号が出たときは、別の Python が先に起動しています。
最初のプログラムを動かす
メモ帳などで、次の内容を hello.py という名前、文字コード UTF-8 で保存します。
import sys
print("Pythonが動きました")
print(f"バージョン: {sys.version_info.major}.{sys.version_info.minor}.{sys.version_info.micro}")
PowerShell で保存したフォルダに移動し、次のコマンドを実行します。
python hello.py
実行結果は次のとおりです。2行目の番号は入れたバージョンです。
Pythonが動きました
バージョン: 3.15.0
この2行が出れば、インストールは成功です。
pipと仮想環境の入り口
ライブラリを足すときは pip を使います。次のコマンドでバージョンが表示されれば、使える状態です。
python -m pip --version
公式ドキュメントはプロジェクトごとに仮想環境を作ることを勧めています。選び方はvenv・uv・Poetryの違いの記事に、pip のエラーはpipエラーの切り分けの記事にまとめました。
Pythonのインストールで困ったとき|よくある4つの症状
公式ドキュメントのトラブルシューティングから、4つを選びました。設定画面の名前は公式の英語表記も添えています。
pythonが見つからない・Storeが開く
まず、Python install manager を入れたかを確かめます。次に、スタートメニューで「アプリ実行エイリアス」(Manage app execution aliases)を開き、「Python (default)」がオンかを見ます。オンなら、いったんオフにして、もう一度オンにすると更新されます。py と pymanager が動くかも試します。
pyコマンドのエラー
py が見つからないときは、上と同じ項目を見ます。「can’t open file」と出るときは、古い Python launcher が優先されているのが原因です。「インストールされているアプリ」(Installed apps)で「Python launcher」を探して、アンインストールします。
pythonとpyでバージョンが違う
古い Python が残っている可能性があります。「インストールされているアプリ」で既存の Python を削除するか、「変更」から PATH のオプションをオフにします。標準で起動するバージョンは py list で確認できます。
pipが見つからない
公式ドキュメントではpython -m pip の形で実行することが勧められています。仮想環境を使っているなら、先に有効化したかを確かめます。それでも見つからないときは、py install --refresh を実行します。
Mac・LinuxでのPythonインストール
MacとLinuxの要点を、公式ドキュメントの内容から紹介します。
Macの場合
python.org から、macOS 用のインストーラ(macOS 10.15 以降向け)を入手し、ダブルクリックし、画面の案内に沿って進みます。
途中で、管理者権限のあるユーザー名が求められます。終わったら、/Applications/Python 3.15/ にある Install Certificates.command をダブルクリックします。
Linuxの場合
多くの Linux では、Python が最初から入っているか、パッケージとして用意されています(公式ドキュメントより)。まず python3 --version で、入っているバージョンを確認します。
Pythonのインストールに関するよくある質問
会社のPCへの導入、古いバージョン、アンインストールについての疑問をまとめました。
- 会社のPCで、管理者権限がなくても入れられますか?
-
公式ドキュメントではPython install manager で入れる Python はユーザー単位のみ、従来の exe の「Install Now」も管理者権限が不要と説明されています。ただ、会社のPCは Microsoft Store や MSIX が制限されていることがあるため、情報システム担当へ先に確認してください。
- 古いバージョンの Python が必要なときはどうしますか?
-
py list –online で入れられる版を確認し、py install 3.14 のように指定して追加します。実行時に py -V:3.14 と書くと、そのバージョンで動かせます。
- Python をアンインストールするには?
-
個別のバージョンは py uninstall 3.15 のように指定して取り除きます。マネージャー自体は「インストールされているアプリ」から削除できます。削除しても Python 本体は残りますが、python や py のコマンドは使えなくなります。
Pythonのインストールと動作確認の要点
Python のインストールで押さえる点を整理します。
入れる前に:既存のPython、会社のルール、バージョン、文字コードの4点を確認する。
Windows の入手先:python.org/downloads の「Download Python install manager」。MSIX を開いて Install を選ぶ。
バージョン:迷ったら最新版(2026年10月時点で 3.15.0)。古い版は py install で追加できる。
動作確認:python –version と hello.py で確かめる。日本語のCSVを読むときは encoding を書く。
画面のボタンより、入れる前の確認と入れたあとの動作確認の方が、つまずきの原因になりやすい部分です。
Python を入れずに始める方法や、入れたあとの設定は、次の記事でも扱っています。
- PythonはインストールとColabどっちで始める?初心者向け使い分け
- venv・uv・Poetryの違い|Python仮想環境で迷ったときの選び方
- pipでエラーが出たときの見る場所|初心者向け切り分け手順
参考資料
ダウンロード | Python.org
Windows で Python を使う | Python 3.15 ドキュメント
macOS で Python を使う | Python 3.15 ドキュメント
Python install manager 26.4 | Python.org
What’s New In Python 3.15 | Python 3.15 ドキュメント
