自動化の費用対効果を見積もるときは、処理が走る時間だけでなく、準備、結果確認、例外対応、保守にかかる時間を入れます。手作業の全工程と、自動化後の一部だけを比べないようにします。
削れる作業と、新しく必要になる作業を両方数えることが中心です。Microsoftの業務価値の案内も、前後の時間や費用、エラーなどを比較する方法を示しています。
比較する作業範囲をそろえる
待ち時間と人が作業する時間も区別します。無人の処理が長いことと、人の作業が多いことは同じではありません。見積値と実測値には印を付けて管理します。
| 区分 | 見積もるもの |
|---|---|
| 現状 | 一回の準備、入力、確認、修正、実施回数 |
| 自動化後 | 入力準備、結果確認、例外対応、実施回数 |
| 維持 | 仕様変更、問い合わせ、権限・設定の見直し |
| 費用 | 初期の制作・設定、継続の利用料等 |
| 品質 | 誤りや手戻りの定義と確認方法 |
架空の例で時間を計算する
以下は計算方法を示すための架空の数字です。実際の業務で測定した値ではありません。現状は一回10分を月40回、自動化後は確認を一回3分、月の保守を60分とします。
| 計算 | 架空例の結果 |
|---|---|
| 現状: 10分×40回 | 400分/月 |
| 自動化後: 3分×40回+60分 | 180分/月 |
| 差: 400分−180分 | 220分/月 |
| 初期作業600分÷220分 | 約2.73か月分の時間差 |
この例の回数や保守時間が変われば、結果も変わります。初期の回収見込みは条件付きの計算として扱い、毎月同じ差が出る保証にはしません。
費用へ換算しても支出削減とは分ける
時間へ社内で定めた換算単価を掛ける場合は、その単価と算定の目的を明記します。空いた時間の価値と、実際に減る請求や支出を同じ金額として扱わないようにします。継続利用料があれば別に差し引きます。
導入後は実際の確認時間、保守、失敗や手戻りを測り、見積もりを更新します。差が小さい場合は、自動化を広げるより入力形式や対象範囲の見直しを検討します。
判断には時間以外の正確性や担当依存も含めますが、確認していない効果を金額へ足さない形にします。この記事は業務の比較方法で、税務処理や個別の投資判断を扱うものではありません。
